最近観た映画

2020年4月29日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
ステイホーム期間は家に籠って映画観てます。

◆三度目の殺人 ★★★★★★☆☆☆☆
2017年9月9日公開。刑期を終えた殺人犯が二度目の殺人を犯し、裁判の過程を描いた話。途中までは非常に面白かったが、終わりに近づくにつれて尻すぼみ的になっていくのが残念。そもそも「自分に恨みを持った金に困った人間に夜間に人気のない河原に呼び出されてのこのこ付いて行って殺害される」というあり得ない背景に興覚めする。同じ疑問を劇中で弁護士が指摘しているが、その説明もさらっと流されて観ていて疑問しか残らない。殺人事件が物語の根幹なのに、どうやって殺害したのかと言う最も重要なトコロを雑に作らているのが腹立たしい。観る人に何を訴える構成にするのは監督の自由だが、それはちゃんと基本が出来ている人のやることだ。もっとリアルに人を殺せ。だいたい役所広司が人を殺しそうな顔をしてないんだよ。

◆麻雀放浪記2020 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2019年4月5日公開。麻雀放浪記の主人公が2020年にタイムスリップする話。ベッキーの十三面燕返しのシーンが観たくてレンタルしたけど、作品としてはかなり残念な内容だった。麻雀を知ってる人間が観ても「なんやこれ」な内容だし、麻雀を知らないに人が観たらもっと酷い感想だろう。九蓮宝燈を和了ったら雷のショックでタイムスリップすると言う設定はまだ許せるし、戦争で中止になったオリンピックの代替開催が世界麻雀大会なのもまだ許せるが、その会場がabemaTVの撮影スタジオってあんまりひどない?撮影時にはまさかピエール滝が覚せい剤で逮捕されるとも思わなかっただろうし、翌年に世界的な疫病が流行してオリンピックそのものが延期されるとも思ってなかったんだろうね。あと失礼な話で申し訳ないけど、小松政夫はもう亡くなってる人だと思ってたわ。

◆ねじれた家 ★★★★☆☆☆☆☆☆
2019年4月19日公開。急死した富豪の孫娘に依頼された私立探偵が、事故死ではなく殺人死として調査する話。アガサ・クリスティー原作の小説を映画化したサスペンス作品だが、舞台が1940年代と言うこともあって分かり易くはない。真犯人は確かに全く予想がつかなかったけど、終わり方も含めて「う~ん」な感想だった。原作を読むと違った評価なのかもしれないが、少なくとも映像で観るとあんまり面白い作品ではなかった。期待していただけに残念。

◆ニュー・シネマ・パラダイス ★★★★★★★★☆☆
1989年12月16日公開。映画好きな少年の映画技師との友情、成長する姿、恋愛を描いた話。人間は様々な経験を経て成長するけど、同時に人間は老いるということを再確認する良作。あと携帯電話のない時代の恋愛の話はええな。若年期のエレナ役の女優も美人で良い。この物語はエレナが美人じゃないと成立しないからね。何歳でこの映画を観るかによって感じ方も変わると思うけど、切なくいい内容だった。175分とちょっと長いのが唯一の欠点。

◆エンテベ空港の7日間 ★★★★★☆☆☆☆☆
2019年10月4日公開。1976年に起きたエンテベ空港での人質ハイジャック事件を題材とし、パレスチナとイスラエルの対立を描いた話。実話を基にした話なので特別な脚色もなく、イスラエル政府のテロリストへ対処策を観るには良く出来ていると思う。ただそれ以上でもそれ以下でもなく、「可」寄りの可もなく不可もない作品。実話に基づくんだろうが、「サンダーボルト作戦」の命名は中二病っぽくてもなかなか良かった。あと劇中の謎ダンスは何だったろうか。アレがなくても映画は成立すると思うんだけど、作品にオシャレ感を出そうと思って加えたのなら蛇足に思う。パレスチナ問題の解決は新型コロナウイルスの克服より困難やろな。後者は数年あれば解決するだろうけど、前者は1000年経っても解決しない。

最近観た映画

2020年4月7日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
Mリーグもファイナルまで開催がなく、特にMTGやるわけでもなく邦画観てました。

◆カメラを止めるな! ★★★★★★☆☆☆☆
2018年6月23日公開。B級ゾンビ映画を撮る話。最初に他愛もない映像を垂れ流して、後から種明かしする手法はさほど珍しくはないが、持ち上げられたワリにはそれ程でもない展開にがっかりした。低予算で作った映画に過剰な期待をするにも良くないが、マスコミに取り挙げられ過ぎたのが良くないね。この種の作品なら「運命じゃない人」の方がお勧め出来る。

◆7つの会議 ★★★★★★★★☆☆
2019年2月1日公開。中堅電機メーカーで起こった不祥事に巻き込まれていく社員達を描いた話。前半の企業ドラマも十分面白く、後半以降の核心部分も面白い。半沢直樹要素あり、空飛ぶタイヤ要素あり、下町ロケット要素もあって、いつもの池井戸作品メンバーが起用されていて安心して観ることが出来る。唯一のマイナス要素は主役の野村萬斎がサラリーマンっぽくないところくらいだが、観て損はない優良作。あと朝倉あきさんは眼鏡が似合うよね。

◆空母いぶき ★★★★★☆☆☆☆☆
2019年5月24日公開。東南アジアに出現した架空の国家から日本国の領土が侵略される話。原作未読で視聴したけど、色んな制約がある中で製作するならこんなもんかという感じ。突っ込みドコロはたくさんあるが、一番納得がいかなかったのは敵国のパイロットが担架で運ばれてる最中に自衛隊員の拳銃を奪ったシーン。ここで揉み合った末に日本人パイロットが射殺されるが、ここでは自殺するために拳銃を奪ったと思っていただけに残念。自分が生き残って捕虜となってしまうと外交上のカードとして使われることが分かっているのだから、ここで潔く自決しないのは興覚めだった。あと中井貴一のコンビニ店長は全く要らないし、憲法改正の必要性を再確認するだけの作品。

◆検察側の罪人 ★★★★★★★☆☆☆
2018年8月24日公開。東京地検の検事が独自の正義感より冤罪を作り上げる話。原作未読だが、数日前に氷見事件(2002年に起きた冤罪事件)の話をテレビで見ていただけに非常に面白く引き込まれた。フィクションなので話の肝となる冤罪の部分はそれなりに納得したけど、闇献金疑惑で自殺した国会議員の件はストーリーに全然関係ないので全く要らないと思う。また前半はあれだけ丁寧に作っておきながら、後半人が死ぬ箇所はすべて謎のブローカー任せなのが雑すぎてがっかりする。沖野が叫んで終わるシーンも「何やこれ?」な感じで、最後はもっと全員が不幸になる感じでどんよりと終って欲しかった。あと要所要所に太平洋戦争の回顧シーンと麻雀の話を織り込みながら、ミッション成功時に呟くセリフが「立直一発自摸ドラドラドラ」で「トラトラトラ(ワレ奇襲ニ成功セリ)」とかけているのはなかなか良かった。また大倉孝二さんの演技が非常に素晴らしい。この人「衝動的に人殺したことがあるんじゃねーの?」ってくらいリアリティがある。ひょっとしたら練習で2~3人くらい人殺してるかもしれん。

◆マスカレード・ホテル ★★★★★★★☆☆☆
2019年1月18日公開。予告殺人が起きた高級ホテルで警察官がホテルの従業員に扮して張り込む話。ストーリーを繋ぐ小さなエピソードひとつひとつがそれなりに面白くて引き込まれる。この手の作品は前半が面白かった分後半がつまらなくて、そのギャップから非常に面白くないものに感じがちなのだが、この作品にはその不快感はなかった。連続殺人事件のトリックに重きを置く人にはそうでないのかもしれないが、娯楽映画としては十分に楽しめた。ただ例の老婆は「おばあちゃん感」が薄かったのだけが残念。長澤まさみは良かった。

最近観た映画

2019年2月27日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
一年半前に引っ越してから映画を観る機会も減ったけど、仕事の合間に少しだけレンタルした作品の雑感。


◆ジュラシック・ワールド/炎の王国 ★★★★★☆☆☆☆☆
2018年7月13日公開。前作の「ジュラシック・ワールド」崩壊からの3年後を描いた話。現代に恐竜が蘇ったらの「もしも」設定がウリな映画だが、回を重ねるごとに新鮮さがなくなって見劣り感がする。まだ前作はストーリーが明快単調で分かり易く楽しめたが、今回はオークションだの密漁だのとしょうもない設定を追加したストーリーで面白みに欠ける。だいたい海の中にいるあの超デカい恐竜はどこ行ったんだよ?あいつが一番好きなのに。

◆空飛ぶタイヤ ★★★★★★★★★☆
2018年6月15日公開。タイヤ脱落事故と大手自動車メーカーのリコール隠しを描いた話。池井戸潤原作の企業サスペンスで、題材となっているのは「三菱自動車製大型トラックの脱輪による死傷事故(2002年)」と「三菱自動車によるリコール隠し事件(2000年)」。こんなんスポンサーの都合で絶対に地上波では放送出来んやろなぁ、と思いながら観てたけど中々面白く引き込まれる。WOWOW版は5話完結(310分)で描いていたが、映画版はこれをよく2時間でまとめたなと感心する。長瀬智也が中小企業の社長っぽくない点以外は非常に良く出来ており、是非とも観て頂きたい良作。

◆女は二度決断する ★★★★★☆☆☆☆☆
2018年4月14日公開。爆弾テロで移民の夫と息子を失った女性が、犯人との裁判に臨む話。復讐モノの展開としてはこうなるんやろな、と観ていたが主人公が薬物中毒の時点であまり共感出来ない。今のドイツが移民問題を抱えていることを話に盛り込みたいのは分からんでないが、ネオナチに悪役を押し付けてるだけの話もちょっと。邦題の「二度決断する」とは、一回目がアレで二回目が最後のアレか。期待して観た分だけちょっと肩透かし感があった。さすがにオチが分かり易過ぎるやろ。そもそも予告編でそのシーンが一瞬映ってるし。

◆15時17分、パリ行き ★★★★★★☆☆☆☆
2018年3月1日公開。列車テロを取り押さえた若者3名の生い立ちを描く話。テロリストを取り押さえる現場はほんの数分の出来事なので、これだけでは一本の作品とはなり得ないが、たまたま現場に居合わせた3名の成長していく過程がドラマとして面白い。世の中の人の役に立ちたいという志は立派だが、あまり成績の良くない軍人が頑張っていく姿は応援したくなる。映画のモチーフとなったのは2015年のタリス銃乱射事件で、こういう描き方はクリント・イーストウッド監督らしくて良い。

◆ゲティ家の身代金 ★★★★★☆☆☆☆☆
2018年5月25日公開。世界屈指の大富豪の孫が誘拐される話。メル・ギブソンの『身代金』的なストーリーを期待していたら、まったく毛並みが違う話で思いのほか引き込まれる。ただ実話に基づいた話のせいか、特にサスペンス的な終わり方もなく期待外れな感じがした。ただゲティ卿から貰った彫刻が本物ではなく、ただのお土産用のレプリカだと分かった時の悲壮感はなかなか良かった。1970年代の景色もそれなりに良く描いてあったと思うが、言うほど評価の高い作品でもないと思う。


劇場公開中の『7つの会議』は早くDVD化して欲しい。

最近観た映画

2017年6月22日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆SCOOP! ★★★★★★☆☆☆☆
2016年10月1日公開。ベテランカメラマンと新人記者が写真週刊誌のスクープ記事を狙う話。写真週刊誌の裏側を描いた前半はそれなりに面白いが、チャラ源の奇行に巻き込まれる終盤はイマイチ。ただ滝藤賢一の人間臭さ全開な演技は抜群だったし、福山は実際に写真撮ってる人だからカメラの扱いもサマになってて良かった。駄目なのはチャラ源の設定だけか。ちなみに冒頭の喘ぎ声担当のデリヘル嬢役は星野あかりで、Lカップのウェイトレス役は沖田杏梨で、不倫暴かれる女性キャスター役は護あさな。この配役は福山の好みで選んでそう(おっぱい的な意味で)。

◆ガール・オン・ザ・トレイン ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2016年11月18日公開。無職のアル中女と女癖の悪い元夫の知人が謎の死を遂げる話。回想シーンが多用されて非常に眠たい上に、事の真相が大したことがないのでガッカリ感が半端ない。だいたい登場人物がクズしかおらんやんけ。しかも勿体ぶって列車をタイトルに掲げているくせに、別に列車はストーリーに関係ないのもマイナス要素。やっぱ「TSUTAYAだけ!」の謳い文句の付く映画はクソつまらない。

◆ゴーン・ベイビー・ゴーン ★★★★★★★☆☆☆
2007年10月19日公開(日本未公開)。素行の悪いコカイン常用者の娘が誘拐される話。少女の失踪・誘拐事件が薬物密売人の抗争・殺人事件に進展して「なんやこれ」と思う前半に対し、真相が明らかになる後半は急激に面白くなる。誘拐事件を通して何が正義で何が正しいのかを考えさせられる点が非常に良かったし、以前観た「告発(1995年4月22日公開)」と同じ切なさを感じるのも良かった。良作。

◆紙の月 ★★★★☆☆☆☆☆☆
2014年10月25日公開。パートから派遣社員に昇格した女性銀行員が、不倫して顧客の預金を横領する話。犯罪サスペンスで横領の手口やきっかけは分らんでもないけど、そもそも不倫の経緯があまり共感できないのはストーリー的にマイナス。あと学生時代に寄付するエピソードも理解しにくいし、「そんな奴おらんやろ」と突っ込みたくなるのも難点。1990年代の風景や銀行員としての生活はそれなりに丁寧に描かれている分、オチの雑さが勿体ないと思った。大島優子の演技は自然で良かった。

◆フォーカス ★★★★★★★☆☆☆
2015年5月1日公開。ベテラン詐欺師が美人詐欺師に出会って共闘する話。まず何よりテンポが良くて観入ってしまう。詐欺の手口も具体的に描かれて分かりやすくて面白い。サスペンスではなくクスっと来る笑いを求めて観ていたせいか、劇中の御都合展開も気にならなかった。ただ例のパニックボタンに実弾を使うのは「う~ん」だった。そこまで手の込んだことやるなら、もっと確実で安全性な別な方法を考えろよ、と。映画自体は娯楽性も高いなかなかの良作。

最近観た映画

2017年3月23日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆裁かれるは善人のみ ★★★★☆☆☆☆☆☆
2015年10月31日公開。ロシアの片田舎に住む貧しい市民が、悪徳市長に土地を巻き上げられる話。最初は巨悪に立ち向かう裁判ものかと思っていたが、そんなことはなくただのロシア版「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だった。内容は「裁かれるは善人のみ」と言うより「憎まれっ子世にはばかる」。どんな手段を使ってでも私腹を肥やす権力者の腐敗はロシアの陰部を描いているのかもしれないが、主人公も酒に溺れて家庭を軽んじている時点でそこそこクズだった。ロシアの貧しい田舎に殆ど興味がない時点で眠たい作品で、最後は「え?これで終わり?」だった。金払ってまで観る価値は全くないが、射撃の的に歴代のソ連指導者の写真を使ってるところは面白かった。

◆ゼロの焦点 ★★★★☆☆☆☆☆☆
2009年11月14日公開。松本清張原作の長編推理小説で、新婚の妻が結婚直後に失踪した夫を探す話。二時間と言う制約の中で映像化したせいか、原作と展開が異なる。しかし重要なポイントは絶対に端折れないので、伏線の繋ぎ合わせで展開していくのが面白くない。主要なキャラクターの性格も変えられてるし、原作では死なない人物まで死んでしまうのは「なんやこれ」と思った。松本清張生誕百周年を祝って作成された映画だが、これを松本清張が観たらがっかりするんだろうな。

◆グランドイリュージョン 見破られたトリック ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2016年9月1日公開。手品師集団がIT企業の陰謀を暴く話。展開が急で、前作を観ていることが前提な構成が分かりにくい。ご都合主義な展開や設定に、最後のオチを見せるためだけに作った感がアリアリで非常に眠たい。そのクセにオチまで大したことないのは非常に宜しくない。ただ、トランプ状の「ブツ」を指先だけで隠し通すボディチェックのシーンだけは良かった。あまりのつまらなさに眠気を我慢できず、途中で1時間ほど仮眠を取った映画はこれが初めて。

◆ゴーストバスターズ ★★★★★★☆☆☆☆
2016年8月19日公開。心霊現象を科学的に解明しようと試みている科学者達が幽霊を退治する話。30年以上前の作品のリメイク版だが、原作が娯楽映画として良く出来ているので焼き直してもそれなりに楽しめる。例のテーマ曲、例のマーク(ロゴ)、例のマシュマロマン等もそのままで非常に懐かしく、一度観た人の方がより楽しめると思う。

◆シン・ゴジラ ★★★★★★★☆☆☆
2016年7月29日公開。東京に上陸した巨大不明生物と日本政府の対応を描いた話。昔ながらの怪獣映画をよりリアルに描いてる点が面白く、自衛隊を巡る法整備にも考えさせられる点も良かった。また「甘利明(元経済再生担当大臣)が出演してる!?」と思ったら、良く似たメイクの中村育二さんと言う俳優だった。第一形態のゴジラの作りがちょっと雑に感じたのが残念だったが、邦画では久しぶりの良作に思う。

最近観た映画

2017年1月12日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆ターザン:REBORN ★★★★☆☆☆☆☆☆
2016年7月30日公開。ベルギーの議員となったターザンがコンゴ奥地で奴隷売買の実態を暴く話。ストーリーが分かりにくいと言うか、色々と話が飛び過ぎる。ターザンがアフリカで育ったことは有名だけど、そもそも何でアフリカの奥地に取り残されてるのかが初めて観る人には分からない。しかも成人して貴族院の議員となってる経緯も良く分からんし、CGの動物はそれほどリアリティはないし、土着の原住民の筋肉は現代の筋トレで鍛えた肉付きの良い筋肉だし、ベルギーがコンゴを植民地支配していたことしか分からん作品だった。

◆ジャングル・ブック ★★★★★★★☆☆☆
2016年8月11日公開。ジャングルで狼に育てられた少年が、人間に敵愾心を持つトラに命を狙われる話。子供向けなので殺生シーンは随分と緩く描かれているが、最大の山場である虎と狼の決戦シーンが(夜間のため)真っ暗で何が行われているか良く分からないってのは「何やこれ」と思った。ただ映像は美しく、CGと実写を組み合わせる技術は優れている。たまにはディズニーも悪くない。

◆海賊と呼ばれた男 ★★★★★★★☆☆☆
2016年12月10日公開。出光興産の創業者をモデルとした主人公の一生と、出光興産をモデルとした企業の成長の過程を描いた話。終戦直後の何もない混乱期から、復興に向けて努力する日本人の姿を見ることが出来る良作。メジャー(国際石油資本)に代表される国際社会におけるイギリスの卑怯さも良く描かれており、この辺が百田尚樹作品っぽくて気に入った。岡田准一も良かった。

◆帰って来たヒトラー ★★★★★☆☆☆☆☆
2016年6月17日公開。アドルフ・ヒトラーが現代にタイムスリップして来る話。パッケージから宣伝まで終止一貫して「コメディ」を謳っているが、「メルケル(首相)は陰気な豚女」と毒吐く程度のコメディでしかない。どちらかと言えば現在のドイツにおける移民問題をヒトラーに代弁させているだけな気もするが、劇中のヒトラーは至極まっとうなことしか言っていない。「インターネットはプロパガンダに最適だ。」等、感心させられる点も少なくない。

◆砂上の法廷 ★★★★★★☆☆☆☆
2016年3月25日公開。父親殺しの容疑をかけられ黙秘を貫く高校生を、被害者友人の弁護士が法廷で弁護する話。法廷モノは、最初に真実を見せてから登場人物が真相に迫る経緯を描くタイプと徐々に真相が明らかにタイプの二つがあるが、この作品は後者の方。どんでん返しアリのミステリー作品だが、オチに気付くことなく最後を迎えることが出来たのでなかなか良かった。ただ十分に伏線はアピールしてあるので、オチに気付く人も多いと思う。94分とコンパクトにまとまっているのも好感が持てる。

最近観た映画

2016年12月14日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
観たい作品があんまりなくて映画鑑賞をサボってました。

◆レヴェナント: 蘇えりし者 ★★★★★★☆☆☆☆
2016年4月22日公開。インディアンに襲われ熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負ったハンター団の一員が、自分を見捨てて息子を殺害したチームメイトに復讐する話。インディアンとの銃撃戦から熊との格闘を描く序盤は迫力があるが、西部劇にありがちな冗長な展開に飽きが来るのは残念。馬の死骸の中に籠って寒さを凌ぐ等迫力のあるシーンに圧倒されるが、ストーリー展開が眠たいのが勿体ない。実在の人物を基にした話らしいが、熊に襲われて虫の息になった人間が数日で歩けるようになるのは不自然だった。レオナルド・ディカプリオの演技は迫力があって良かった。オスカー取れて良かったね。

◆エクス・マキナ ★★★★★★☆☆☆☆
2016年6月11日公開。人工知能を持つ人型のロボットの精度を会話で実験する話。AIが感情を持つ展開もベタだし、その感情もベタで逆に人間っぽくない。機械が感情を持つ展開は悪くないが、ソレが画一的でありがちな感情なのが「う~ん」だった。ただ映像美は素晴らしく、人工の皮膚をめくって自分が機械であることを無言で語るシーンは絵的にもストーリー的にも良かった。

◆64-ロクヨン- 前編/後編 ★★★★★★★☆☆☆
2016年5月7日公開(前編)/2016年6月11日公開(後編)。時効直前に迫った身代金誘拐事件と、捜査の過程で生じた警察の不手際を県警の広報官が追う話。前編は非常に面白かったが、事件の真相が少しづつ明らかになる後編はややがっかりな内容だった。一番納得がいかないのは、真犯人が人質の少女を殺害した理由が描かれていない点。殺すつもりはなかったけど顔を見られたからやむなく殺害した、等の理由でそれらしい回想シーンでも挿入すれば良かったのに。殺害した理由を問われて「そんなこと俺が知るかぁ!」で一気に興ざめしてしまった。ただ佐藤浩市の演技は抜群に良く非常に素晴らしい。前編8点、後編6点。

◆ワーテルロー ★★★★★★☆☆☆☆
1970年12月19日公開。エルバ島を脱出したナポレオンが皇帝の地位に復帰し、1815年のワーテルローの戦いで完敗する話。ストーリーや背景は世界史の教科書でも読んで概要を理解し、実写で再現された陸上戦の雰囲気を楽しめば良い。ただこの映画だけ見るとパリ陥落とワーテルローの敗戦しか描かれてないので、ナポレオンはめっちゃ負けてる人としか見えないのが可哀想に思う。1970年の映画なのでそれなりに古臭いが、騎馬隊の突撃シーンは迫力があって良い。大量の兵士を演じているのは旧ソ連軍の本物の兵士、と言うのも見どころ。

◆シークレット・アイズ ★★★★★☆☆☆☆☆
2016年6月10日公開。同僚の娘を殺害されたテロ対策捜査官が真犯人を追いつめる話。前半は眠たく後半は分かりにくく不親切だが、ニコール・キッドマンが容疑者を煽ってレイプを自白させるシーンは良かった。ただ、オチはそれなりだが容易に想像がつき、眠たい進行を我慢しながら見続けるには退屈な映画だった。ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツと言ったギャラの高そうな女優を使ってまで作る映画じゃないと思う。

最近観た映画

2016年9月27日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆オデッセイ ★★★★★★★☆☆☆
2016年2月5日公開。宇宙飛行士が事故で火星に取り残される話。あくまでフィクションなんでストーリーに多少無理があっても許容出来るんだけど、火星での映像がどう見ても地球なのには勿体なさを感じる。赤いフィルターをかけて火星っぽさを演出しているが、空に映ってる雲はどう見ても地球のそれ。と言うか、そこいら中全部地球。またゼロ・グラビティに比べるとリアリティは低いが娯楽性は高く、要所要所で流れる1970年代のディスコ音楽はなかなか良かった。主人公の境遇と歌詞がリンクしている点も素晴らしく、火星で聞くドナ・サマーは特に良かった。宇宙とディスコ音楽のミスマッチが設定の雑さをかき消してくれるんだけど、この手法は素直に評価してる。ただ「困ったアメリカを秘密裏に行われている中国の宇宙計画が助けてるくれる」と言う設定は、人類が火星でジャガイモを栽培するよりあり得ないことだと思う。

◆マネー・ショート 華麗なる大逆転 ★★★★★★☆☆☆☆
2016年3月4日公開。2008年のリーマン・ショック直前に、経済破綻に気付いた金融マン達を描いた実話に基づく話。「サブプライム住宅ローン危機」の話は何となく知っていても、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とかCDO(債務担保証券)とかサッパリ分からない。要は価値のないものを抱き合わせて販売し、それを支払い能力のない人に無責任に買わせて成り立っていたローンが当然のようにデフォルトしたって話。空売りの勝者に「君達が勝てば勝つほど、家や財産を失う人が出るんだ。」と警告するシーンは良かった。『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』よりはドラマ性が高くて入り込み易い。

◆ヘイトフル・エイト ★★★★★☆☆☆☆☆
2016年2月27日公開。馬車宿に立ち寄った賞金稼ぎが殺人事件に巻き込まれる話。西部劇全般が眠たいが、本作の前半も無意味に冗長で眠たいことこの上ない。途中からちょっとだけ面白くなるが、コトの真相は至って普通でミステリーさもサスペンスさも特になく退屈。後味の悪い殺戮劇は言うほど悪くなく、生死に関わらず賞金が支払われるお尋ね者をわざわざ生け捕りにして絞首刑にしようと言う賞金稼ぎの美学的なモノだけは評価したい。銃撃戦がちょっとだけスローモーションになる所がタランティーノっぽくて良かったが、タランティーノ作品の西部劇なら「ジャンゴ」の方が遥かに面白い。

◆ヴィクトリア ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
2016年5月7日公開。ベルリンに移住したばかりのスペイン人女性が、見知らぬ酔っ払いにホイホイ付いて行って犯罪の片棒を担がされる話。ウリは「140分の映画をワンカットで撮った」点だけで、企画だけが先行して脚本が糞な映画の典型。確かにワンカットで映画を撮るにはそれ相応の準備が必要だと思うが、手間暇かけて入念な準備を整えて「行き当たりばったりの内容」を映像化しただけに過ぎない駄作。ここまでつまらない映画を観たのは久しぶりだ。

◆ミドルメン/アダルト業界でネットを変えた男たち ★★★★★★☆☆☆☆
2008年作成(劇場未公開)。インターネット黎明期に有料ポルノサイトを作成して大儲けした男達の話。「ネットでクレジット決済を出来るようにする。」たったこれだけのことを最初に考え付いた人間がここまで莫大な富を得ることが出来るのか、と言うのが面白い。史実を基にした作品だが映画としての構成はそれなりに普通。ただオチが好きな部類なので楽しめた。観て損はない。

最近観た映画

2016年6月22日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆杉原千畝 スギハラチウネ ★★★★★★★☆☆☆
2015年12月5日公開。第二次大戦中のヨーロッパで、ユダヤ人難民のために日本人外交官が日本政府に背いてビザを発行し続けた杉原千畝の生涯を描いた話。杉原千畝の功績は知っていたが、改めて映像で観ることが出来て良かった。日本人が知っておくべき人物で、娯楽性はまったくない作品だが知らない人には是非見てもらいたい良作。

◆ネイチャー ★★★★★☆☆☆☆☆
2014年5月2日公開。アース、ライフに続く自然ドキュメンタリー作品で、本作はアフリカの映像に特化している。どの映像も良く撮っているとは思うが、初めてアースを観たときほどの感動はなかった。地味だけどサンゴ礁でカサゴが餌を探しているシーンが一番良かった。劇場で3Dを観るべき作品なんだと思うが、爬虫類のアップが多過ぎて気持ち悪そう。

◆海難1890 ★★★★★★☆☆☆☆
2015年12月5日公開。1890年のエルトゥールル号海難事故と1985年のテヘラン邦人救出を通し、日本とトルコの友好を描いた話。エルトゥールル号の海難事故の話だが、これがイラン・イラク戦争時の日本人救出劇にリンクしている点が良い。国外の日本人を救出するために自衛隊機が出動することを当時の社会党が反対し、憲法9条が日本人を助けることの妨げとなったことを忘れてはならない。この時、トルコ政府が日本人を助けてくれなかったらどうなっていただろうか。娯楽性は低いがこれも知らない人には是非知ってもらいたい良作。また、ほぼ同じ内容が10年以上前に長編AAで作成されているので、これを流し読みしても大よその内容を知ることが出来ます↓
http://tana.pekori.to/tear/log/0412.html

◆身代金 ★★★★★★☆☆☆☆
1997年2月15日公開。息子を誘拐された富豪が、要求された身代金を犯人に対する懸賞金にする話。子供を想う父親の心情は良く描かれていると思うが、犯人とやり取りの末に心変わりする様がもう少し共感出来るように描いて欲しかった。タイトルは知っていても観てなかった作品と思って20年前の映画を借りて来たけど、シェイカーが自宅を訪れる場面で「あ、これ観たことあるわ」と気が付いた。テレビで何度も放映してたからなー。40代のメル・ギブソンもええな。

◆日本のいちばん長い日(2015) ★★★★★★☆☆☆☆
2015年8月8日公開。1967年に作成された同名の作品のリメイク版。ポツダム宣言を受諾して無条件降伏を決定する御前会議から、1945年8月15日の正午に玉音放送を流すまでの日本首脳陣の一日を描く点もまったく同じ。オリジナル版の後にリメイク版を観て最初に感じたのは作品の安っぽさ。一番の違和感は、天皇陛下を映像化している点。オリジナル版でも天皇は登場したが、顔は映っていない。後ろ姿や肩越しの姿のみで登場しているが、本作では本木雅弘が天皇陛下役が堂々と映っている。また阿南陸相役も前作の三船敏郎が秀逸だっただけに残念。特に、最後の切腹シーンでの迫力は比べ物にならない。阿南は敢えて介錯を受けず、何時間も苦しんで死んでいる。オリジナルではこの点を良く描いているが、本作ではそれがないのが難点。あっさりと死体が布団の上に横たわっているシーンに移ってがっかりした。ただ鈴木貫太郎(首相)がルーズベルトの急死に哀悼の意を表している箇所を描いているのは良かった。これは、ヒトラーがルーズベルトの死を口汚く罵ったことと比較して、トーマス・マンが「ドイツ国民よ、東洋の騎士道を見よ」と述べたエピソードとして知られている。良い作品だとは思うが、どうしてもオリジナルとの比較になって評価が落ちてしまうのは仕方ない。ちなみに製作に関わっている朝日新聞(テレビ朝日)が、ポツダム宣言受諾の前日である1945年8月14日に社説に載せた記事がこれ(↓)。
http://kenken.diarynote.jp/201408141402581135/

最近観た映画

2016年4月4日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆ジュラシック・ワールド ★★★★★★★☆☆☆
2015年8月5日公開。ジュラシック・パーク跡地に懲りずに作った恐竜テーマパークで、またまたデカい恐竜が逃げ出す話。良くも悪くも斬新さがない。「そう言えば昔こんな映画があったな」と懐かしく思えたが、大雑把な展開は20年前のアレと全く同じ。あと、ラプトルがデカい恐竜側に寝返ったり再び人間側に出戻ったりな展開に「何やこれ」と思ったが、恐竜が闊歩する姿を映像として楽しむだけなら十分。あと、海からザッパーンするモササウルスは格好ええな。こいつ好き。

◆酔拳 ★★★★★★☆☆☆☆
1979年7月21日公開。武芸をかじった若造が酔拳の師匠に仕えて鍛えられる話。何十年ぶりかに観直したけど、田舎とは言え70年代の中国は貧しいよな。フェイフォン(ジャッキー・チェン)が敗北して股を潜る時の屈辱に満ちた表情が凄く良い。負けて悔しく思い、それを見返すために努力すると言う・・・昔ながらのストーリーもベタだけど懐かしくて良い。若い頃のジャッキー・チェン好きだわ。

◆下町ロケット①~⑥ ★★★★★★★★★☆
2016年3月23日DVDレンタル開始。下町の中小企業が手作業でロケットの部品を作って大手企業と渡り合う話。後半のガウディ編より前半の方が好き。中でも第一話のナカシマ工業との訴訟の話が一番面白い。やっぱりベタでもこういう判官贔屓で勧善懲悪ものが好きなんだと再確認した。半沢直樹も花咲舞も良かったし、池井戸作品はええな。第一話を見逃して途中から遅れて観るのが嫌でDVD化をずーっと待ってたけど、待ってた甲斐があったもんだ。良作。

◆かいじゅうたちのいるところ ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
2010年1月15日公開。反抗期の8歳の少年が家出して怪獣の住む島に旅立つ話。同名の絵本を実写化したものだが、8歳児が一人で船漕いで家出って展開からしてちょっとアレ。CGを使わない着ぐるみの怪獣は悪くないが、人間の子供と怪獣が仲良くなったり喧嘩したりでやっぱり人間の家に戻るのが一番な展開って、誰に受けるのかと思う。原作が絵本なのだから子供をターゲットにしてる様だが、実写化された作品はそうにも思えないのが難点。自分のお気に入りの怪獣を「良い奴チーム」に入れ、そうでない怪獣を「悪者チーム」に分けて泥団子をぶつけるだけのゲームは子供の残酷さを良く描けていると思ったが、それ以上にただ胸糞悪いだけで観る価値は全くない。

◆チェンジリング ★★★★★★★★☆☆
2009年2月20日公開。半年前に失踪した9歳の子供が警察の捜査によって見つかるけど、戻って来た子は全くの別人と言う話。真実を追求する母親と、捜査ミスを隠蔽しようと言う1920年代のロサンゼルス市警が良く描かれている。ロス市警の腐敗は他の映画でも確認出来るが、都合の悪い一般市民を精神病棟送りにして社会から抹殺する等、この作品でもなかなかのクズっぷり。息子を想う母親は強く、特に「売られた喧嘩にケリをつける。」のシーンは非常に良かった。実話を基にしている作品で、クリント・イーストウッドの監督作品には良作が多い。

最近観た映画

2016年2月25日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆ピクセル ★★★★★★☆☆☆☆
2015年9月12日公開。1980年代のアーケードゲーム風のエイリアンが地球を攻撃する話。有名処(ギャラガ・ドンキーコング・パックマン)は分かったけど、ちょい役のキャラクターの幾つかが分からなかった。1980年代を知るおっさん層が懐かしさを感じる作品で、それ以上でもそれ以下でもない。ただ映画としての体裁は整っており、娯楽映画としてはそれなりに楽しめる。

◆バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2015年4月10日公開。落ち目のハリウッド俳優が監督兼主演で舞台制作に進出する話。舞台の例の終わり方を観て、「まさかアレが本物にすり変わるオチじゃないよね。」と思っていたら、まんまその通りのオチで驚いた。サブタイトルの「無知」ってのは、そのアレを本物と見分けが付かない程度の「無知」ってことなら糞映画にもホドがある。プレビュー公演を迎えるまでの90分間も非常に眠たく、加えてあのオチな上に「アーティスト」と「ブラック・スワン」の駄目なところをさらに凝縮した感じがする。ただ映画としてつまらないだけでなく、観終わった後に怒りを伴う強い不快感が残る駄作。これが2015年のアカデミー賞「作品賞」ってことに驚いた。

◆ピエロがお前を嘲笑う ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2015年9月12日公開。若手ハッカー集団が殺人事件に巻き込まれて警察に追われて逃げる話。仮想空間でのやり取りを現実世界の地下鉄に見立てて表現するシーンはそれなりだが、ストーリーがただの愉快犯だしオチも大したことがないので楽しめない。『まさかの結末に《100%見破れない!》《騙された!》という観客が続出』のキャッチコピーも、観終わった後に目にすると痛々しいものがある。何が駄目って、オチがどうであれ、ただ小物の愉快犯が警察から逃げてるだけ、ってのがつまらない。ヒロイン役が可愛くないのも駄目駄目。もうちょっと綺麗な女優を使えよ。良いところが何もない駄作。

◆ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ★★★★★★☆☆☆☆
2015年7月15日公開。毎度おなじみ諜報員のイーサン・ハントが、謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を暴こうとする話。この謎の犯罪組織もモロッコの極秘施設もリアリティがなさ過ぎてフィクション臭が凄いが、アクションシーンはそれなりに楽しめる。ただ、あれだけ派手なことやってる割には、最後のボスがちょっとショボいのが残念。あと「ならずもの国家」をアメリカ政府は公式にrogue stateと呼んでいるが、敢えてrogue nationと変えたのは何か意味があるんでしょうかね?オープニングは相変わらず格好良いが、個人的には前作の「ゴースト・プロトコル」の方が良く出来てると思う。

◆提督の艦隊 ★★★★★★☆☆☆☆
劇場未公開(2016年2月DVD公開)。17世紀の軍人であるミヒール・デ・ロイテルがオランダ海軍の提督に就任してイギリス、フランスと戦う話。当時の時代背景(英蘭戦争)が分かりにくいが、海戦シーンはそれなりに良く描かれている。ただ、数的不利な状態で英仏連合軍に勝利した場面は、なぜ勝利出来たかが分かり辛くてもやもやする。ただ何となくドンパチやってたら勝ちました、的な展開が非常に不満。ロイテルの、国家のために忠誠を尽くす軍人としての姿と、家族を守る父親・夫としての姿を描いてる点は良かった。

◆セッション ★★★★★★★★☆☆
2015年4月17日公開。名門音楽学校に入学した19歳のドラマーと伝説の鬼教師を描いた話。鬼教師フレッチャーの鬼っぷりが非常に良い。特に「偉くなりたい、立派になりたいと思う人間にとっていちばん駄目な言葉はGood Job(よくやった)と言う言葉だ。」のくだりが非常に良い。鬼教師から徹底的にしごかれて罵倒されてからのラストシーンは本当に格好良かった。ただフレッチャーが「ユダヤ人」「アイルランド人」等を差別的な意味で使っているのは、今のご時世だと何か問題ありそうだった。2015年のアカデミー賞(作品賞)は、バードマンじゃなくこれだろ。なかなかの良作。

最近観た映画

2016年1月19日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆ヤバい経済学 ★★★★★★★☆☆☆
2011年5月28日公開。全世界でベストセラーを記録した同名の経済書を映像化した話。「不動産仲介業者が早く物件を売りたがる話」「相撲の八百長の話」「現金と言う成功報酬を餌に高校生の学力を上げる話」等、取り上げられるエピソード1つ1つが興味深い。中でも「黒人と白人の名前の話」は面白かった。教育水準が低く、社会的地位が低い親ほど子供にユニークな(突飛な)名前を付けたがると言うのは、いつの時代もどこの国でも変わらないものだ。育児が出来る親と言うのは、子供を産む前から決まっている、と言うのも感慨深い。一番感心したのは「1990年代のアメリカでなぜ犯罪率が減少したか?」と言う話。理由が気になる人は映画を観て確認して欲しい。

◆母と暮らせば ★★★★☆☆☆☆☆☆
2015年12月12日公開。原爆で亡くなった学生が霊となって母の元に降りて来る話。息子役の二宮和也より母親役の吉永小百合のシーンが長く、どちらかと言うと「息子と暮らせば」な気がする。また、作品に関わっているのが、井上ひさし(原作)・山田洋次(監督)・坂本龍一(音楽)・吉永小百合(女優)・テレビ朝日(製作)と、左翼だらけの反戦映画で泣ける要素は全くなかったが、父の戦死を知って涙を堪える本田望結の演技だけは良かった。

◆ビリギャル ★★★★★★★☆☆☆
2015年5月1日公開。学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格する話。実話よりかなり話は盛ってあるらしいが、成績下位の生徒が努力する姿がなかなか良く、家庭内不和の親子関係を描いているのも良い。特に、壁に当たったさやかを坪田が卵を使って「可能性があると知っていることが凄く大事なんだ。」と励ますシーンは良かった。熱血漢に伊藤淳史はハマリ役だし、有村架純が可愛いのでそれだけでも観る価値はある。全く期待せずに観たせいか、思っていたより良い出来の面白い映画だった。良作。

◆イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 ★★★★★★☆☆☆☆
2015年3月13日公開。ゲイの数学者がイギリス軍に協力してナチスドイツの暗号文(エニグマ)を解き明かす話。歴史的逸話を映像化して残している点は高評価で、主人公の天才肌も良く描かれているが、途中から眠たくなってしまった。当時のイギリスでは同性愛は犯罪(わいせつ罪)であることを知り、キリスト教的世界観を以て観るともっと評価は変わったのかも知れない。期待していたものとはちょっと違っていたのが残念。

◆ミュンヘン ★★★★★☆☆☆☆☆
2006年2月4日公開。ミュンヘン事件後にイスラエル政府がモサドの工作員を使ってテロリストに報復する話。ミュンヘン事件とは1972年9月5日旧西ドイツのミュンヘンでパレスチナ武装組織「黒い九月」により行われた人質事件で、同オリンピック開催中に発生しイスラエルの選手11名が殺された殺人事件。実話を基にしており、報復に報復が繰り返される様を描いている点が良いが、途中から展開が単調で飽きがくる。都合よく情報を提供してくれるルイのくだり等端折って良さそうな場面も多く、164分は長過ぎると感じた。スティーヴン・スピルバーグは、全てを表現しないと気が済まない監督なのか、作風がクドい。ただ、1970年代の色あせた感じはよく描かれている。

最近観た映画

2015年12月8日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆マッドマックス 怒りのデス・ロード ★★★★☆☆☆☆☆☆
2015年6月20日公開。核戦争後の荒廃した地球で、元警官のマックスが独裁者ジョーに反乱する大隊長フュリオサに付き合わされる話。「マッドマックス」シリーズは回を重ねる毎に中身が薄くなり、第三作のサンダードームが代表作的なイメージがあるのが悲しい。本作もサンダードームの続編的な位置付けで、派手な戦闘シーン以外に観るべきとことはない。もはや北斗の拳的な世界観を楽しむ程度のイメージ作品に成り下がり、ストーリーも砦を出て行って帰って来るだけの他愛もない内容。これが何年後の地球をイメージしているのかは分からないが、未だに自動車がガソリンで動くことを前提としていることに80年代的な懐かしさを感じた。フィクションであっても、もう少し「設定」の練り込みが欲しい。

◆ミンボーの女 ★★★★★★★★☆☆
1992年5月16日公開。ヤクザに強請られるホテルが弁護士を雇って、民事介入暴力に立ち向かう話。弁護士・井上まひるの毅然とした態度が何より格好良く、暴力団の手口も上手く伝えているのも良い。この作品の公開時期にちょっと前に「暴力団対策法」が施工されており、20年ぶりに観ると、暴力団も当時と比べると随分減った様に感じた。バブル期の日本の悪い面を、滑稽に表現している優良作。

◆インサイド・マン ★★★★★☆☆☆☆☆
2006年6月10日公開。銀行強盗達が銀行内で人質に強盗と同じ格好をさせる話。最後の最後でちょっとだけ背景を明かしてくれるが、この計画の真相は分かりにくい。観賞後にネタバレサイトで確認したが、みんな同じ意見で納得した。これは観る人のレベルが低いのではなく、「人質に強盗と同じ格好をさせる」ことだけがネタとして先行し、その後、後付けで設定を考えているからに他ならない。刑事役はデンゼル・ワシントンである必要もなく、弁護士役もジョディ・フォスターである必要はない。もっと言えば例の弁護士役は作品に必要すらないと思う。奇抜な設定先行でストーリーを作るのも悪くはないが、それならばもっと細部に拘って辻褄の合う設定を練って欲しいものであるし、安易にヒトラーを使って悪役感を出しているのも駄目駄目。途中まではそれなりに面白かっただけに残念。

◆エリン・ブロコビッチ ★★★★★★★★☆☆
2000年5月27日公開。法律事務所で強引に働き始めた無職のシングルマザーが、大企業の水質汚染公害を暴いて集団訴訟を起こす話。エリン・ブロコビッチとは実在する主人公の名前で、実話を基にしており劇中のPG&E社も実在する。幼い子供を育てながら慣れない仕事に奮起するジュリア・ロバーツが格好良く、「おっぱいで勝負よ!」や「例の井戸より取り寄せた特別な水です。」等のシーンは特に良かった。働く女性にも受けが良いのではなかろうか。良作。

◆寝ずの番 ★★★★☆☆☆☆☆☆
2006年4月8日公開。落語界の大御所の通夜に、弟子と親族が寝ずの番をしながら故人の思い出を語る話。語られるエピソード1つ1つが大して面白くもなく、とかく「ち○ぽ」「お○こ」と下ネタが多い。あと、「そそ(女性器を表す方言)が見たい」のシーンで、志津子(当時61歳の富司純子)がすねる表情はちょっとかわいいと思った。通夜と下ネタを掛け合わせた不謹慎コメディが売りだろうが、いまいち笑えなかったのが残念。

最近観た映画

2015年10月27日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
インド映画を何本か観てました。

◆女神は二度微笑む ★★★★★★☆☆☆☆
2012年3月9日公開。インドで失踪したIT技術者の夫を追って妊婦の妻がイギリスからやって来て捜索する話。次第に状況が明らかになる展開は面白く、それなりのオチにも満足出来たが・・・真相が曖昧な終わり方でもやもやする。インドの猥雑な町並みは良く描かれているし、(インド映画なのに)歌って踊るシーンが全くない正統派サスペンスな点は高評価。

◆めぐり逢わせのお弁当 ★★★★★★★☆☆☆
2014年8月9日公開。ダッバーワーラーによって誤って配達された弁当をきっかけに、退職間近の孤独な初老の男と、家庭を顧みない夫に不満を持つ主婦の交流を描いた話。ダッバーワーラーとは、インド独特の弁当配達業者のことで、自宅から作りたての弁当を職場まで配達し、その後、空の弁当箱をもう一度自宅まで送り届けてくれるシステム。インドでは100年以上の歴史があり、毎日17万以上の弁当がこのシステムによって配達されているもの。ダッバーワーラーを見たくてこの映画を借りてきたが、インドの中流家庭の内情を垣間見ることが出来てなかなか良かった。ただ、最後の尻切れトンボ感がちょっと残念。

◆きっと、うまくいく ★★★★★★★★★☆
2013年5月18日公開。インドの工科大学に通う3人の学生の成長とその後を描いた話。コメディ映画ではあるがインドの教育問題や自殺率の高さも取扱い、笑いも涙もあり、歌も踊りもあり、テンポ良く引き込まれて170分という長さも全く気にならない良作。「私は教えることを教えたんです。」のセリフと、学長からボールペンを受け取るシーンは非常に良かった。

◆闇の帝王DON ベルリン強奪作戦 ★★★★☆☆☆☆☆☆
2013年4月20日公開。DONと言うイケメン悪党がユーロ紙幣の原版をスイスの銀行から盗む話。実は小さく「DON2」とサブタイトルが付けられており、前作の良く分からん設定を引き継いでいるので分かりにくい。150分と無駄に長く、初めて観る人にとってはわざと捕まって悪党仲間と一緒に脱獄するくだりなんか要らんやろ、と思ってしまう。すごくお金をかけて作ったVシネマみたいな感じで非常に眠たいが、それでも映画として最低限の体裁は整っている。1つ前に観た「きっと、うまくいく」が面白かったんで、同じボリウッド4作品に期待してたらこのザマだよ。観て損した。


残り2つのボリウッド4作品は、近くのTSUTAYAに置いてないんでインド映画はもういいや。

最近観た映画

2015年9月3日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
長い映画ばっかり観てました。

◆KANO 1931海の向こうの甲子園 ★★★★★★☆☆☆☆
2015年1月24日公開。大日本帝国統治時代の台湾で、1勝もしたことがない弱小学校が日本人監督の指導下で成長し、台湾代表として甲子園を目指す話。KANOとは、舞台となった嘉義農林学校の略を日本語読みにしたもの。監督も選手も実在の人物で、弱小チームが頑張って奇跡の1勝を挙げる話かと思いきや、たった1年で強くなってかなり上の方まで勝ち上がるので驚いた。観終わった後に甲子園の結果を調べてみたら、本当にその記録が残っていて感心する。また劇中で八田ダムに軽くでも触れている点は良いと思うが、最後の船のシーンがCG合成丸分かりな点は興醒めする。あと180分と長くもう少し端折って描いても良い気がするが、日台友好の映画として良く出来ていると思う。

◆ニュールンベルグ裁判 ★★★★★★★★☆☆
1962年4月28日公開。第二次世界大戦後に連合軍がナチスドイツの戦争犯罪を裁く話。第一部ではドイツ航空相ゲーリングの投降から裁判の始まりまでを描き、第二部では裁判の核心から判決・刑の執行までを描いている。同裁判では24人の被告が裁かれたが、特にゲーリングとナチスのユダヤ人政策にフォーカスを当てている。同じ敗戦国である日本を裁いた極東軍事裁判が映画「私は貝になりたい」で描かれているが、これと比較すると欧米式裁判に則って話が進む様子は面白い。特に、(結局有罪になるのだが)ゲーリングが裁判で判事対等にと渡り合う姿も良く描かれている。また、終戦直後に録画された強制収容所の様子が記録映像として流されるが、骨と皮だけになった人間の死体の山が非常に痛々しい。「アメリカは戦争が長引いてもドイツには原爆を落とさない。白人の命は日本人の命よりも重いからな。」や「ナチスとアメリカの共通の敵は共産主義だ。」等のゲーリングの発言も興味深い。なお、極東軍事裁判と同様に戦勝国の戦争犯罪は全く裁かれていない。

◆セデック・バレ 第一部 太陽旗 ★★★★★★★★★☆
2013年4月20日公開。下関条約後に日本統治領となった台湾で、首狩り族であるセデック族の抗日暴動(霧社事件)を描いた話。第一部では日本統治下に入るまでのセデック族の日常から、日本人虐殺までの暴動を描いている。この作品を観て「当時の日本人と現地の台湾人(蕃人)の関係が、移民してきたアメリカ人と現地のインディアンとの関係に似ている。」と思った。首狩り族と言う野蛮人が、文明の波に飲み込まれていく過程を描いている様に思う。単純な反日思想に染まらず「霧社事件」を忠実に描いている点やセデック族の住む自然の美しさが非常に良く描かれており、全く飽きることなく引き込まれる良作。

◆セデック・バレ 第二部 虹の橋 ★★★★★★☆☆☆☆
2013年4月20日公開。第二部では、日本人集落を滅ぼしたセデック族に対し、大日本帝国陸軍が本格的に鎮圧に取り組む様子が描かれている。ただ事件の背景は第一部で説明済みであり、第二部は貧相な装備のセデック族対近代化された装備の日本軍の戦闘シーンに終始する。最初はそれなりに善戦するが、質と量に劣るセデック族が追い込まれていく様子は、まるで太平洋戦争に敗北する日本軍の様でもある。特に行き場を失ったセデック族の女性が一斉に首を吊って自決するシーンには、終戦間際の日本人に似た何かを感じる。ただ、山中でのゲリラ戦がメインの作品で、「七人の侍」と「ブラックホーク・ダウン」を足して二で割ったような内容。また第一部の自然な美しさと違って第二部ではCG合成丸分かりの映像が多用され、第一部ほどの感動はないのが残念。ちなみに「霧社事件」の翌年に、前述KANOの「嘉義農林」が台湾代表として日本の甲子園に出場している。

最近観た映画

2015年8月4日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
戦後70年目の夏に、太平洋戦争に関連する映画を何本か観た。

◆私は貝になりたい ★★★★★★☆☆☆☆
2008年11月22日公開。太平洋戦争末期に徴兵された一般人が、捕虜殺害の容疑でBC級戦犯として裁かれる話。極東軍事裁判と言うそれなりに重いテーマを取り扱っているにも関わらず、芝居とセットが安っぽくて観るに堪えないのが難点。ただ、戦勝国が敗戦国を事後法で理不尽に裁く様子はそれなりに良く描かれている。映画「フューリー」の中でブラッド・ピットはドイツ人捕虜を射殺して何らお咎めなしであった点と比較して観ると感慨深いものがある。結局、戦争そのものが「悪」なのではなく、戦争に負けることが「悪」なのだと再認識する。また召集令状で徴兵された一般人を訓練している様子を見ても、徴兵制で兵士を賄っている日本が志願制で兵士を運用しているアメリカに勝つのはそもそも無理な話だとも感じた。良かったのは、死刑執行直前の矢野中将の遺言のシーン。「戦争後に裁判を行うのであれば、無抵抗の民間人へ空襲を行った米軍も同様に条約(ハーグ陸戦条約)違反で裁かれるべきだろう」と言うところ。良くなかったのは、中居正広が歌を歌うシーン。配役に無理があるだろこれ。

◆大空のサムライ ★★★★★☆☆☆☆☆
1976年10月2日公開。太平洋戦争期のエース・パイロットである坂井三郎を描いた話。本人の著書「大空のサムライ」を基にしているが、原作とは異なりオリジナル要素やフィクション要素も多数存在する。ガダルカナル攻略時に被弾し、出血多量の状態で帰還するシーンは史実通り。1970年代の特撮技術で良く撮ったなとは思うが、今観るとやはり随分古い映画に思える。戦争をテーマにした映画ではあるが、ドラマ性と娯楽性が強いと思った。可もなく不可もなくな作品。

◆あゝひめゆりの塔 ★★★★★★★☆☆☆
1968年9月21日公開。敗戦濃厚となった太平洋戦争末期に、沖縄で看護要員として従軍した「ひめゆり学徒隊」を描いた話。同名の小説を映画化した作品は複数あるが、吉永小百合主演のものを鑑賞した。米軍の沖縄上陸から民間人殺戮や集団自決等、戦争に負けることの悲惨さが良く描かれている。沖縄の悲劇や原爆投下等はサイパンを失った時点で日本が降伏していれば回避することが出来たかもしれないが、まだ戦力が残った状態で降伏することは当時の日本には不可能なことだったと思う。当時の日本は(良くも悪くも)負け慣れていないが故に、負け方を知らない。国家も国民も。「敗戦=死」としか教えられていないから、自決の悲劇を生んだのではなかろうか。川辺で水浴びする無抵抗な女学生たちを米戦闘機が射殺するシーンとか、是非ともアメリカ人に観て頂きたいものです。

◆日輪の遺産 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2011年8月27日公開。太平洋戦争末期に、旧日本軍の資産を隠すために女学生が借り出される話。原作未読で予備知識も全くない状態で視聴し、どフィクションだと知って非常にがっかりした。いわゆるM資金なるものは、所詮ツチノコ程度の信憑性しかないと思っているので作品に対して1%も共感する箇所はなかった。胡散臭い箇所が多過ぎるし観て損した。

◆連合艦隊司令長官 山本五十六 ★★★★★★★☆☆☆
2011年12月23日公開。連合艦隊の司令長官として、太平洋戦争開戦から海軍甲事件で戦死するまでの山本五十六の半生を描いた話。アメリカとの戦争を回避したかった山本と、開戦を望んで国民を煽った新聞社の対比が良く描かれている。戦争映画で戦闘シーンもそれなりだが、兵士や一般市民が戦火の犠牲となる描写は殆どなく、戦争の悲壮さは全く描かれていない。真珠湾攻撃やミッドウェー海戦に特化している点でも軍人山本五十六をフォーカスした映画だと感じる。ただ、ミッドウェーの敗戦については諸説あるが、この映画を見る限り、南雲中将ひとりの責任に思えてならない。「史実通りに話が進むフィクション映画」程度に観るにはちょうど良い作品。

◆ビルマの竪琴 ★★★★★★★☆☆☆
1956年1月21日公開。終戦をビルマで終えた日本軍と、僧侶になった一人の元兵士を描いた話。僧侶になろうと思った水島上等兵の心情はあまり理解出来なかったが、最後の手紙で泣いてしまった。あれ、手紙を読んでる奴が泣くんだもん、聞いてるこっちまでもらい泣きするやろ。あと、カタコトの大阪弁を話すビルマ人行商のおばさんは良い味してた。散乱する日本兵の死体を埋葬する話なのに、原作は児童向けの童話だと知って驚いた。戦争映画と言うにはちょっと違うが、インパール作戦の生き残りを描いた話としては良い切り口の作品だと思う。本作はモノクロ作品だが、市川崑監督が「ビルマの赤い土をカラーでもう一度撮りたい。」としたリメイク版も観てみたい。


借りようと思っていた「火垂るの墓」は、来週の金曜ロードショーで放映予定。

最近観た映画

2015年7月16日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆グロリア ★★★★☆☆☆☆☆☆
1981年2月14日公開。マフィアを裏切って殺された会計係の子供を、マフィアの一員の女性が匿う話。身寄りのない少年を助けたくなる気持ちは分からんでもないが、行き当たりばったりでご都合主義な展開が観るに堪えない。感動的な再開を引きたてる為だけの無意味なストーリーで構成されており、主人公のグロリアにも孤児となった少年にも共感出来る点が少なく感動も薄い。ただ、誰の墓とも分からない墓石を適当に見繕って自分の墓として祈りを捧げるシーンは、それなりに良かった。ここだけは評価したい。

◆39 刑法第三十九条 ★★★★★★☆☆☆☆
1999年5月1日公開。多重人格の殺人犯が、心神喪失・心神耗弱を理由に刑法39条の適用があるかを裁判する話。準備された設定はサスペンスとしても十分に面白かったが、説明が欲しいところで説明が足りなかったり、説明不要のところで説明し過ぎたり、と不満が残る。また刑法三十九条よりも「戸籍の偽造のとこが実は重要なんじゃねーの?」と思ったのがマイナス要素。心神喪失だけで成立させるのは難しかったか。

◆ヒトラーの贋札 ★★★★★★★☆☆☆
2008年1月19日公開。第二次世界大戦中、ナチスドイツの収容所でユダヤ人技師が贋札を偽造させられる話。ポンド紙幣の偽造でイギリス経済撹乱を図ったベルンハルト作戦を基にした話で、実際に1億3,200万ポンド(イギリスの外貨準備高の四倍の額)が作られた。贋札偽造に関わるユダヤ人達の様々な境遇がリアルに描かれており、戦争映画としても興味深い良作。

◆キューティ・ブロンド ★★★★★★★★☆☆
2002年4月27日公開。ちょっとおバカなブロンド(金髪)の女学生が、自分を振った彼氏を見返す為にハーバード大学法学部に入学する話。退屈な学園ラブコメかと思いきや、法廷にシーンが変わって急激に面白くなる。映画特有のご都合な主義な展開はあるものの、努力がそれなりに報われる良い映画。特に「バカ男はお断りよ!」のシーンは良かった。ただ、リース・ウィザースプーンは、顔のパーツが真ん中に寄っている点だけが残念。

◆ボビー・フィッシャーを探して ★★★★★★★☆☆☆
1994年2月5日公開。チェスの才能に目覚めた7歳の少年の成長と苦悩を描いた話。ボビー・フィッシャーとは、若くして世界チャンピオンになったアメリカ人のチェス・プレイヤーで、主人公のジョシュ・ウェイツキンも実在のプレイヤー。勝ち続けることで過度のプレッシャーを背負い、格下の選手にわざと負ける姿など主人公の苦悩が良く描かれている。この手の競技に全く興味がないと面白さも半減するが、MTGプレイヤーが観ればそれなりに共感出来る点もあると思う。競技選手としての一面と、野球が大好きな普通の子供としての一面や家族愛が上手く描かれた良作。

◆アメリカン・スナイパー ★★★★★★★☆☆☆
2015年2月21日公開。イラク戦争に従軍したネイビー・シールズ所属の狙撃手クリス・カイルの人生を描いた話。ブラックホーク・ダウンとハートロッカーを足して二で割った感じの内容だが、狙撃手と言う特殊な任務に焦点を当てているのが目新しい。戦地と日常生活のギャップも上手く描かれており、近代戦争における兵士の生活も垣間見れる。一人の兵士として、一人の父親としての側面が感じることが出来る良作。

最近観た映画

2015年6月24日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆ファイナル・カウントダウン ★★★★★★★☆☆☆
1980年7月5日公開。米海軍の原子力空母が、太平洋戦争開戦の前日にタイムスリップして旧日本軍に接触する話。40年前にタイムスリップする映画が、もう35年前の話になってしまった。地上波で何度も観た映画だけど、久しぶりに観たくなって借りてきた。捕虜の日本兵が片言の日本語だったり、そもそも日本人じゃなかったりと、ちょっとだけ不満はあるが、F14トムキャットと零戦の戦闘シーンは見応えがある(と言うか、このシーンを観るためだけの映画かもしれない)。また、昔観た時は気付かなかった「聖母たちのララバイの盗作元となった例の音楽」も確認出来た。撮影に使用された空母ニミッツは1975年に就役してから2015年現在でまだ現役。

◆戦国自衛隊 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
1979年12月15日公開。20数名の自衛隊員が、当時の近代兵器を持って戦国時代にタイムスリップする話。ファイナル・カウントダウンの自衛隊編と言うか、むしろこちらがオリジナルなのだが、残念なことに映画としての完成度は非常に低い。「現代の軍隊が過去にタイムスリップして無双する」と言う発想自体は悪くないのだが、自衛隊員が味方の自衛隊員を簡単に殺害したり、上官の命令を無視して現地の住民を射殺して略奪・強姦したりと非常に突飛でリアリティがなく全く感情移入できない。タイムスリップと言う概念自体が現実にはあり得ないことなのだから、それ以外の要素には徹底的にリアリティを求めないとSF映画として成立しない。ファイナル・カウントダウンを観た後だからこそ、この映画の駄目さが際立ってみえる。子供の頃観た時はそれなりに楽しめたんだけど、いま観ると糞だな。気が向いたらリメイク版も観よう。

◆エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか? ★★★★★☆☆☆☆☆
2006年11月18日公開。アメリカの総合エネルギー会社エンロンの粉飾決済と破綻、そしてカリフォルニア電力危機を描いた作品。関係者の証言やナレーション、及び実際の映像で構成されているため、映画と言うよりむしろドキュメンタリー番組。電力自由化の弊害を知ることが出来る作品だが、延々と当時の証言が続くので興味がない人が観ると眠たくて仕方ないと思う。もう少し構成に工夫があっても良いのではなかろうか。

◆ザ・ハリケーン ★★★★★★★★☆☆
2000年6月24日公開。冤罪で終身刑となった黒人の元プロボクサーが、獄中から自伝を出版して無罪を訴える話。「ルービン・カーター事件」と言う実話を元にしており、ハリケーンとは主人公ルービン・カーターのリングネーム。裁判を手伝うカナダ人活動家達がすごく胡散臭いと思っていたけど、あれも実際にあった話だと知って驚いた。黒人への人種差別を描く裁判物としても面白く、やはりデンゼル・ワシントン作品にはハズレが少ないと再確認した良作。

◆プリズナーズ ★★★★☆☆☆☆☆☆
2014年5月3日公開。突然失踪した幼い娘を見つけ出すために、父親が容疑者の知的障害者を拷問する話。途中までは本格的なサスペンスを楽しめるし、真犯人に気付ける人はなかなかいないとは思うが、ばら撒いた伏線は一切回収しないし、結局、ただの猟奇犯で萎えてしまう。視聴後にネタバレサイトで宗教的なメッセージ云々の話を読んでさらに辟易した。150分と無駄に長い割には中身がない駄作。

◆評決 ★★★★★★☆☆☆☆
1983年3月19日公開。仕事がないアル中の弁護士が、医療事故を巡って大病院相手に陪審員裁判する話。高額の示談金を蹴って裁判に持ち込む時点で依頼人の利益を損なってるし、裁判をやりたいのは弱者救済と言う目的ではなく、結局主人公のエゴな気がして共感できない。また、裁判の目的はあくまで真実の追求なので、そこに信仰とか宗教とか正義と言う言葉を持ち出されると「何か違う」と感じてしまう。法曹関係者は高潔ではない、と言う点を描きたいのであれば、主人公の人間として駄目な点を含めて良く出来ていると思う。

最近観た映画

2015年6月4日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
最近、映画をサボってました。「ゴーン・ガール」を観てから夫婦の繋がりに関する映画を漁ってみることに。


◆ゴーン・ガール ★★★★★★★☆☆☆
2014年12月12日公開。突然失踪した妻の捜索を願い出た夫が殺人容疑で疑われる話。失踪の真相はすぐに明らかになり、その後の展開を様々な視点から描いた娯楽性の高いサスペンス映画。次第に明らかになる夫のクズっぷりが面白く、完全犯罪を応援したくなってしまう。例の黒人弁護士が良い味出しているのでその手腕をもっと描いて欲しいと思ったし、150分とそれなりに長いのでもう少し端折って欲しいとも思った。なかなか良かった。

◆潮風のいたずら ★★★★★★★★★☆
1988年5月28日公開。性格の悪い富豪夫人が記憶喪失になって貧しい大工とラブコメする話。いかにも80年代のアメリカらしいベタベタなラブコメディだが、良い奥さん・良い母親になっていく姿が微笑ましい。最後の「僕は君に何を贈れば良いんだろうか?」に対するジョアナの返答が〆の台詞として非常に良かった。20年前に一度観たけどもう一度観たくなって借りてきたが、何度観てもやっぱり良い映画だった。大工役のカート・ラッセルとゴールディ・ホーンが実際の夫婦ってのも良いわ。

◆ナイロビの蜂 ★★★★☆☆☆☆☆☆
2006年5月13日公開。アフリカで製薬会社の不正を暴こうとした妻が謎の死を遂げ、その真相を残された夫が暴こうとする話。仰々しい話の割にはおおよそ見当の付く展開で、オチも復讐を果たした様だがそんな感じもしなくてイマイチ。これが実話を元にした映画ってのならば話は別だが、完全フィクションでサスペンスを謳ってこれならちょっと眠たい。妻の死を無駄にしない夫婦愛を描いているにも関わらず、そもそもテッサに人間としての魅力があまりないってのが宜しくない。先進資本主義から搾取されるアフリカを題材とした点は悪くないだけに、もう少し作り込んで欲しかった。

◆ジャック・サマースビー ★★★★★★☆☆☆☆
1993年6月12日公開。アメリカ南北戦争から帰還した偽物の夫が、本物の夫かどうかで裁判になる話。20年前に観た時はそれなりに感動したけど、改めて見直すと設定は無茶苦茶だよね。本当の夫婦なら久しぶりに再会したとしても、それが別人だと分かるだろうに。しかも偽物かもしれないと感付きながらも、夫婦生活を続けるってのもどうなんだろう。「Because,I’m Jack Sommersby」のシーンを撮りたいだけだろ、って思ったけど、20年前はこのシーンで涙を流した。観る人次第で大きく評価が分かれそうな作品。



同じ作品でも20年経つと評価も変わるね。ただ「潮風のいたずら」は変わらずに良かった。
こーゆーベタな奴大好きなんだよ。

最近観た映画

2015年4月14日 映画
最近観た映画
最近観た映画
最近観た映画
◆フューリー ★★★★★☆☆☆☆☆
2014年11月28日公開。第二次世界大戦末期に米軍の戦車小隊が、ドイツの武装SS(親衛隊)と交戦する話。戦車戦は本物のタイガーⅠを使ってあるのでそれなりに迫力があるが、敵と味方の砲弾に色を付けて見分けることが出来るようにしたのが非常に萎える。戦争映画と言うより、戦争ゲームみたいだった。あと部下の命を最優先するはずの主人公が、最後の最後で玉砕覚悟の籠城戦って何なの?しかも動けない戦車相手に無双されるドイツ軍ってのも非常に疑問。普通は近づかずに遠くから大砲でも撃つものじゃないだろうか。オチが糞過ぎて全てが台無しになっている。しかもノーマンなんて隠れてるところをドイツ兵に見つかっておきながら、なぜか見逃されてるし・・・これが一番意味分からんかった。あと、ブラッドピット率いる米軍が投降して命乞いするドイツ兵を射殺したり、制圧した街の女性を犯したり、当時としては一般的な光景なんだろうけど、これが日本軍だったらて大々的に反日プロパガンダに利用されるんだろうなと思った。リアリティがあるようでないのが勿体なく、本物のタイガーⅠの戦闘シーン以外に観るところは少ない。

◆勝利への脱出 ★★★★★★☆☆☆☆
1981年12月19日公開。第二次世界大戦最中、ドイツ軍に捕らえられた連合軍の捕虜とドイツ代表がサッカーをする話。脱出のチャンスを蹴ってサッカーを続けるシーンに合理性を感じないが、あの終わり方は良いと思う。ペレのオーバーヘッドキックを30年ぶりに観たくて借りてきたけど、このシーンのためにある映画と言っても過言じゃない。ちなみに史実では、ドイツ空軍対FCスタルトで行われ、試合に勝ったFCスタルトの選手は報復のため強制収容所で処刑されている。

◆猿の惑星:新世紀(ライジング) ★★★☆☆☆☆☆☆☆
2014年9月19日公開。前作『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』から10年後、猿ウィルスの蔓延で人類が半壊した地球でタカ派の猿がハト派の猿を退けて人間に攻撃する話。猿が文明を持つと言うフィクションの大前提に加えて、地球が世紀末になったり、ダムの電力が必要になったりと、この物語を成立させるための「設定」を観る人に強要し過ぎている。前作で人類の傲慢さに対する猿たちの抵抗を描いているにも関わらず、今回は登場する猿がそもそも人間より傲慢に見える点が何より駄目だ。猿達があたかも人間の様にしゃべり過ぎてしまい、まるでエイリアンか何かが人間を襲っているだけの様に思えてがっかりする。「猿の惑星」と言う冠に頼っているだけの駄作。良かったところを強いて挙げろと言われれば、「Ape not kill ape」に対する「You are not ape」のシーンくらい。

◆アザーズ(The Others) ★★★★☆☆☆☆☆☆
2002年4月27日公開。光アレルギーの子供二人と暮らす裕福な女性の身の回りで起こる不可解な現象を描いた話。ホラー系サスペンスなのだが残酷なシーンやグロテスクなシーンは殆どなく、映像と音響で醸し出す独特な恐怖感が良く出来ている。ただこの映画、1999年に公開された有名なあの映画とオチが全く同じなのはどうかと思う。そんなこと言ったら、「例のあの映画も『恐怖の足跡』のパクリじゃん。」とか言われそうだが、途中まで期待していただけにすごく残念に思った。だってサスペンス映画でオチが全く同じなんだよ?そりゃ駄目だろ。

◆ラッキーナンバー7 ★★★★★☆☆☆☆☆
2007年1月13日公開。対立する2つのマフィアにそれぞれ間違えられた青年が暗殺の手伝いを強要される話。最後のどんでん返しのためだけに辻褄合わせで作っている感がアリアリで、種明かしされたオチもおおよそ見当がつくのが非常に駄目。途中まではそれなりに楽しめたが、これだけ豪華なキャストを準備してこのオチかと思うと情けなくなる。いくら映画とは言え不自然な点が多過ぎて嫌気がさすが、親がクズだと子が哀れと言う教訓にはなる作品。あと「カンサス・シティ・シャッフル」についてもスラングの意味を知らんと最後までワケワカランな。色々勿体ない。

◆キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン ★★★★★★★★☆☆
2003年3月21日公開。1960年代に世界各地で小切手偽造詐欺を行ったフランク・アバグネイルJrと、それを追うFBI捜査官カール・ハンラティを描いた話。19歳で天才詐欺師となった男の過去と詐欺の手口を描き、予備知識なしで鑑賞したので実話だとは最後のエンドロールで知った。パイロット、医者、弁護士になりすましたフランクの手法がアナログで1960年代と言う時代を感じるが、弁護士となった手口は非常に良かった。140分と少し長めだが、時間を感じさせない久しぶりの良作。

1 2 3 4 5