世界選手権に参加しましたよ(四日目)
2006年12月2日 プロツアー
世界選手権四日目。国別対抗戦にはお呼びが掛からなかったため、午前中はラミハル、諸藤、mk?、三田村さん、チャオ・ピーターとルーブル美術館へ観光。その後モナリザやミロのビーナスを観たあとで会場に戻り、ラミハルが準々決勝で対戦するボロスを作って練習。結局、4〜5時間かけて50戦をこなしたんだけど、以下のようなことが分かった。
※写真はラミハルの後ろでハーバーホルツ相手に調整するガブリエル・ナッシフ
ボロス側の最良のサイドボーディングは、
OUT)
4《巨大ヒヨケムシ》
3《聖なる後光の騎士》
IN)
4《氷結地獄》
3《名誉の道行き》
だと思います。4マナの《巨大ヒヨケムシ》は、論外に重いので迷うことなく全抜き決定。代わりに入れるものが上記7枚しかないので他に何か3枚を抜かなければならないが、最初はPauloが行ったように1マナ1/1で実質的に何も能力がない《アイケイシアの投槍兵》を抜いていた。しかしプレイ数を重ねるにつれて、同じ様に2マナ2/2で実質的になにも能力がない《聖なる後光の騎士》が重すぎて使えないという結論に辿り着く。「1ターン目に何もプレイ出来ずにターンを渡す」ということは、それが《聖なる鋳造所》のタップインであっても許されないからです。ラミハルはドラゴンストーム(以下DS)側の最良選択肢に特化すれば良いだけなんですが、三田村さんと自分はボロス視点で如何にこのデッキと渡り合うか、ということに主眼を置いてプレイを重ねました。また基本的にこのマッチは「DS側が必要なパーツを引けているか」だけの勝負なんですが、ボロスがマナを残してターンを返した時が思考の分岐点となります。事実《ドラゴンの嵐》をプレイしたとしても、1匹がもたらす5点分の火力全てを単純に対戦相手本体や相手のクリーチャーに割り振って良いものではありません。時には《ボガーダンのヘルカイト》自身に1点、若しくは2点のダメージを分散して与え、《名誉の道行き》が《黒焦げ》を超える火力とならないようにしなければならない局面が多々あったのです。それでケーススタディとして実際に我々が直面し、約1時間近くかけて議論した局面を再現して見ましょう。
相手(ボロス)の手札:3枚(一枚は《差し戻し》した《裂け目の稲妻》)
相手の(ボロス)のライフ:15
相手(ボロス)の土地:
《平地》タップ状態
《トロウケアの敷石》タップ状態
《聖なる鋳造所》アンタップ状態
《宝石鉱山》アンタップ状態、採掘カウンター1個
相手(ボロス)の生物:《サルタリーの僧侶》・・・先ほど召還されたばかり
ここであなたはストーム2の《ドラゴンの嵐》をプレイし、今、まさにドラゴン達をライブラリーの中から探し出そうとしている最中です。
あなたの残り手札:《ドラゴンの嵐》《ボガーダンのヘルカイト》《土地》
あなたのライフ:10
あなたのライブラリーに残るドラゴン:《ボガーダンのヘルカイト》×3、《駆り立てられたドラゴン》×2
その他の情報:割愛
問題は対戦相手が「《差し戻し》された《裂け目の稲妻》をプレイも待機もせずに、2マナを残して《サルタリーの僧侶》をプレイしてターンを返した」と言う点と、「これまで土地が詰まっていることからも残りの2枚は間違いなくスペルであろう」と言う点。ちなみにここで《ボガーダンのヘルカイト》3体を探し出し全てのダメージを対戦相手本体に叩き込もうとすると、あなたはこのゲームに敗北します(結果論だけど)。
興味がある方は相手の残り2枚に何があるかを場合分けした表を作って、更にどういう行動を取れば最も効率よく勝てるかを記入してみると良いでしょう。(引き分けも結構ありますよ)
結局のところ「〜を持っていたら仕方ない」の一言に尽きるんですが、「○○を持っていると仮定するならば、××しなければならない」という場合場合に応じた最良の選択肢を正しく理解出来ているかが重要なのです。もちろんラミハル達はこの複雑な(僕にとっては)場合分けを的確に対応して見せたのですが、途中でワケワカランようになった自分は《名誉の道行き》を持ってるか否かを伝達するだけの係となってしまいました(恥)。
またその頃、隣の席ではmk?さんがナシフデッキの使い方を覚えている最中で、同じ様に会場の隅ではマーク・ハーバーホルツがナシフの調整に付き合っていたり、ティアゴ・チャンの調整役をアントワンが務めていたり、しています。その光景を見て「ラミハルの相手が俺らってのもショボいよな」と三田村さんがボソっと言ったのが妙に面白かったりする。
その後夕食帰りに一人で会場に戻ってサイドイベントのドラフトに参加してみるも、かなーり強力な青白デッキをドラフトして一没。しょんぼりして一人でホテルに帰ると、ラミハルとmk?さんがナシフトロンとの調整を延々と行っていた。「ボロスなんかと時間かけて練習するよりも、もっとこっち(ナシフデッキ)とやるべきだった・・・」とラミハル。何度やっても激悪な相性さをひっくり返すことは難しいらしく、どうにもお手上げムードのまま四日目が過ぎてゆく。
そうそう。ラミハルに過度のプレッシャーを与えてはいけないので、「世間的にはナシフvsモリカツの決勝戦を期待してるよね。俺もナシフvsラミハルだったら、ナシフ応援するよ!」と嘯いてみました。ビジネスクラスを自模れるんなら、ここも何とか出来るはず。明日はいよいよ決勝戦。
※写真はラミハルの後ろでハーバーホルツ相手に調整するガブリエル・ナッシフ
ボロス側の最良のサイドボーディングは、
OUT)
4《巨大ヒヨケムシ》
3《聖なる後光の騎士》
IN)
4《氷結地獄》
3《名誉の道行き》
だと思います。4マナの《巨大ヒヨケムシ》は、論外に重いので迷うことなく全抜き決定。代わりに入れるものが上記7枚しかないので他に何か3枚を抜かなければならないが、最初はPauloが行ったように1マナ1/1で実質的に何も能力がない《アイケイシアの投槍兵》を抜いていた。しかしプレイ数を重ねるにつれて、同じ様に2マナ2/2で実質的になにも能力がない《聖なる後光の騎士》が重すぎて使えないという結論に辿り着く。「1ターン目に何もプレイ出来ずにターンを渡す」ということは、それが《聖なる鋳造所》のタップインであっても許されないからです。ラミハルはドラゴンストーム(以下DS)側の最良選択肢に特化すれば良いだけなんですが、三田村さんと自分はボロス視点で如何にこのデッキと渡り合うか、ということに主眼を置いてプレイを重ねました。また基本的にこのマッチは「DS側が必要なパーツを引けているか」だけの勝負なんですが、ボロスがマナを残してターンを返した時が思考の分岐点となります。事実《ドラゴンの嵐》をプレイしたとしても、1匹がもたらす5点分の火力全てを単純に対戦相手本体や相手のクリーチャーに割り振って良いものではありません。時には《ボガーダンのヘルカイト》自身に1点、若しくは2点のダメージを分散して与え、《名誉の道行き》が《黒焦げ》を超える火力とならないようにしなければならない局面が多々あったのです。それでケーススタディとして実際に我々が直面し、約1時間近くかけて議論した局面を再現して見ましょう。
相手(ボロス)の手札:3枚(一枚は《差し戻し》した《裂け目の稲妻》)
相手の(ボロス)のライフ:15
相手(ボロス)の土地:
《平地》タップ状態
《トロウケアの敷石》タップ状態
《聖なる鋳造所》アンタップ状態
《宝石鉱山》アンタップ状態、採掘カウンター1個
相手(ボロス)の生物:《サルタリーの僧侶》・・・先ほど召還されたばかり
ここであなたはストーム2の《ドラゴンの嵐》をプレイし、今、まさにドラゴン達をライブラリーの中から探し出そうとしている最中です。
あなたの残り手札:《ドラゴンの嵐》《ボガーダンのヘルカイト》《土地》
あなたのライフ:10
あなたのライブラリーに残るドラゴン:《ボガーダンのヘルカイト》×3、《駆り立てられたドラゴン》×2
その他の情報:割愛
問題は対戦相手が「《差し戻し》された《裂け目の稲妻》をプレイも待機もせずに、2マナを残して《サルタリーの僧侶》をプレイしてターンを返した」と言う点と、「これまで土地が詰まっていることからも残りの2枚は間違いなくスペルであろう」と言う点。ちなみにここで《ボガーダンのヘルカイト》3体を探し出し全てのダメージを対戦相手本体に叩き込もうとすると、あなたはこのゲームに敗北します(結果論だけど)。
興味がある方は相手の残り2枚に何があるかを場合分けした表を作って、更にどういう行動を取れば最も効率よく勝てるかを記入してみると良いでしょう。(引き分けも結構ありますよ)
結局のところ「〜を持っていたら仕方ない」の一言に尽きるんですが、「○○を持っていると仮定するならば、××しなければならない」という場合場合に応じた最良の選択肢を正しく理解出来ているかが重要なのです。もちろんラミハル達はこの複雑な(僕にとっては)場合分けを的確に対応して見せたのですが、途中でワケワカランようになった自分は《名誉の道行き》を持ってるか否かを伝達するだけの係となってしまいました(恥)。
またその頃、隣の席ではmk?さんがナシフデッキの使い方を覚えている最中で、同じ様に会場の隅ではマーク・ハーバーホルツがナシフの調整に付き合っていたり、ティアゴ・チャンの調整役をアントワンが務めていたり、しています。その光景を見て「ラミハルの相手が俺らってのもショボいよな」と三田村さんがボソっと言ったのが妙に面白かったりする。
その後夕食帰りに一人で会場に戻ってサイドイベントのドラフトに参加してみるも、かなーり強力な青白デッキをドラフトして一没。しょんぼりして一人でホテルに帰ると、ラミハルとmk?さんがナシフトロンとの調整を延々と行っていた。「ボロスなんかと時間かけて練習するよりも、もっとこっち(ナシフデッキ)とやるべきだった・・・」とラミハル。何度やっても激悪な相性さをひっくり返すことは難しいらしく、どうにもお手上げムードのまま四日目が過ぎてゆく。
そうそう。ラミハルに過度のプレッシャーを与えてはいけないので、「世間的にはナシフvsモリカツの決勝戦を期待してるよね。俺もナシフvsラミハルだったら、ナシフ応援するよ!」と嘯いてみました。ビジネスクラスを自模れるんなら、ここも何とか出来るはず。明日はいよいよ決勝戦。
コメント